基準点測量
基準点測量は、その名の通り全ての測量の基準となる点を設ける作業です。
私たちが普段目にする全ての建物や道路、橋やダム等には、それが地球上のどこに存在するのか?ということを経緯度や高度、X,Y,Zを使って位置座標を特定することが可能です。その際に何を基準に特定するのか?正しくその基準となるものが基準点になります。
1.人工衛星を用いて観測
この衛星測位システムを利用して、地上に設置した基準点が地球上のどこに存在するのかを特定する、測量することが可能になります。近年ではこのGPSにEUが運用しているGalileo(ガリレオ)を併用することが可能になったほか、日本独自の衛星、準天頂衛星「みちびき」の運用も開始され始めており、より精度の高い測量が可能になると期待されています。
2.測量機器「トータルステーション」を用いて観測
トータルステーションは機械自体が水平であるかを確認できるほか、機械が上下、左右に何度回転しているかが表示されており、搭載されたレーザーを鏡に反射させることで距離を測ることができます。
この機能を使って、既に位置座標がわかっている点(既知点)と新しく設置したい点(新点)を観測することで、その点間の角度と距離を測り、新点の位置を特定することができます。
水準測量
測量機器「レベル」を用いて観測
標高というのはとても重要な要素で、間違ってしまうと橋の橋脚に本体が乗らなかったり、水道の水が流れなくなる可能性があります。そのため基準点測量の中には、高さ・標高により特化した測量方法として水準測量が存在し、この測量では1mm単位での正確さが要求されます。
水準測量ではレベル(水準儀)と呼ばれる測量機を水平に置き、後と前のスタッフ(標尺)を見比べることで、後と前の高さの差、比高を観測します。
最近ではバーコード柄のスタッフをレベルで読み込むことができるようになり、より高精度に、ミスが少なく観測できるようになっています。
ちなみに、オランダは海抜0mの国と呼ばれていたりしますが、日本にも海抜がマイナスな場所が多数存在し、有名なところでは青森県の八戸キャニオン(-170m)や愛知県の弥富駅
(-0.93m)が存在します。
三次元点群測量
三次元点群測量は位置座標(X.Y.Z)を持った無数の点群を作成することで三次元化し、それを編集することで測量を行う新しい技術です。我社では福島県をはじめとした複数の公共機関に対して、全国的に未だ数少ない成果を納品した実績があり、我社の自慢の技術のひとつです。
点群を取得するにはレーザープロファイラを使っての観測や、UAV(ドローン)を使って空中から撮影される写真を用いて作成します。
レーザープロファイラは、その名の通りレーザーを大量・高密度に射出することで高速かつ高精度な点群データを取得することが可能です。一般には地上に機械を据え置いて使用することが多く、他にはGPSと連動させた機械を車両に搭載し、360度カメラと併用して点群を取得する方法が存在していました。
最近ではこれらに加え、UAVにレーザープロファイラとカメラを搭載することで上空から点群を取得する技術が確立され、広範囲な観測や、地上から到達することが難しい危険な場所であっても点群データを取得できるため注目を集めています。
我社では協力企業と合同でこのUAVレーザー測量に取り組んでおり、急傾斜や土砂崩壊地、山地といった区域において、お客様に満足いただけるクオリティの成果を得ています。
UAVを用いた空中写真による三次元点群測量では、飛行ルートや高度・撮影方法をプログラミングしたUAVと、撮影条件を設定したデジタルカメラを用いて空中写真を撮影し、これらを専用のソフトを使って三次元形状復元することで点群を作成します。
この手法ではレーザーを用いるよりも高精度に点群を作成できるほか、より美麗な復元モデルが作成できるため、打ち合わせやプレゼンにも有意義な結果を生み出します。
路線測量
路線測量とは、計画路線(路線選定)の結果に基づき、線形決定で定められた道路等の中心点を現地に表す作業(中心線測量)や、その現地形状(縦断測量・横断測量)を調査する作業です。又、計画用地の幅を表す作業(幅杭設置)も行います。
1・中心線測量:主要点、中心点を現地に設置し線形地形図を作成します。
2・仮BM設置測量:現地に、縦断測量及び横断測量に必要な仮BMを設置し、標高を定めます。この仮BMの標高が基準となり、現地地形、構造物等の標高が決まります。
3・縦断測量:レベル(水準儀)とスタッフ(標尺)を用い、中心点及び中心線上の地形変化点(地盤高)の標高を定め縦断面図を作成します。
4・横断測量:中心線測量で設置した中心杭から横断方向の地形変化点を測量します。横断面図(断面図)を作成します。
5・用地幅杭設置測量:用地幅杭の設置方法は、あらかじめ横断面図(設計済)で定めた用地幅杭を平面図に展開し、用地幅杭点座標を求めます。
計算で求められた座標値を現地にて用地の範囲を示すため用地幅杭を設置します。
用地測量
用地測量とは、主に道路及び河川等の公共事業に伴う測量を実施しています。
用地測量を実施する区域について管轄法務局において、公図、地積測量図及び土地登記簿謄本等で用地取得に必要な土地の調査及び測量を行い、関係権利者立会のうえ境界点を確認後、登記申請に必要な図面、及び調査書の作成を行います。
道路設計
道路の機能は、人と物資輸送の確保により地域間相互連携し、地域の人々が安全・安心、快適に暮らすためにはなくてはならないものです。南会津特有の急峻な地形、近年多発する集中豪雨や地震、経済性、安全性、景観等に配慮し、地域の皆様が安全に安心して使用できる道路設計を行っています。
- 道路概略設計
- 道路予備設計
- 道路詳細設計
河川設計
川づくりは、近年多発している想定外の洪水や局地的豪雨から生命を守り、生活・農業用水などを確保することを目的に行われます。私たちはそんな川づくりを目指し、自然に馴染んだ景観に配慮した河川護岸工等を計画・設計します。
- 河川堤防、護岸の計画・設計
- 樋門、樋管の計画・設計
- 床止工の計画・設計
砂防設計
砂防施設は、土砂災害から国民の命を守り、安全で豊な生活を確保するため、将来にわたり土砂災害の危険を減少させることを目的に行われます。また、国民の生命及び身体を守るため、土砂災害のおそれのある区域を明らかにし、警戒避難体制の整備、開発行為の制限等のソフト対策を行います。- 砂防堰堤の計画・設計
- 流木対策工の計画・設計
- 渓流保全工の計画・設計
- 急傾斜地崩壊対策の計画・設計
- 土砂災害防止法に基づく基礎調査(土石流・急傾斜地)
インフラメンテナンス
橋梁の維持管理今後、確実に増大する高度経済成長期に集中的に建設された老朽化橋梁(供用開始後50年を超える橋)の延命化を図り、維持管理コストの縮減、橋梁の安全性確保を目的としています。
私たちはコンクリート構造物・鋼構造物等の、点検・診断・補修設計などを行っています。
ふくしまインフラ長寿命化研究会にも属し、講演会、研修会、橋守ワークショップにも積極的に参加し、福島県内の市長村の管理するインフラの点検・診断・補修設計も行っています。
- 橋梁点検及び補修設計
- スノーシェッド・ロックシェッド点検
- 地すべり施設点検
- 砂防関係施設点検及び補修設計
- 急傾斜地崩壊防止施設点検
防災設計
近年多発している想定外の洪水や局地的豪雨から、治水の安全性を確保するため河川改良復旧を行います。また、土砂災害から国民の生命・財産を守るため、ハード対策として砂防堰堤・渓流保全工・流木対策工などの砂防事業をはじめ、急傾斜地崩壊対策事業などあらゆる土砂災害防止対策の調査・計画・設計を行っています。
- 災害復旧事業(単災)
- 河川災害関連事業
- 災害関連緊急砂防事業
森林土木設計
我が国は周囲を海に取り囲まれた海洋国家と同時に世界有数の火山国家であることから、国内における土砂災害の発生要因は大きく分けて、「集中豪雨」「火山」「地震」の3つに分けられます。特に近年、地球温暖化の影響とみられる海水面の上昇により、線上降水帯が形成されることにより局地的集中豪雨が頻繁に発生し、国内各所において土石流や山腹崩壊が生じ、地域住民の生命に危険がおよぶような激甚災害となっている状況であります。
このようなことから、治山事業は山間部の保安林や荒廃危険地区において渓間工や山腹工等の対策を実施し、土石流や山腹崩壊が発生した箇所の復旧と復元を図ることを目的として施工されるものとなります。
弊社では、山腹崩壊地や荒廃渓流において、緑の復元を図り災害に強い森林造成の基礎を構築するための予防治山事業や復旧治山事業等の調査・設計をおこなっています。
流量観測
流量観測とは、河川計画の立案や洪水の予報など河川管理に必要なデータとして、長年にわたり通年の流量の変化を知るための観測です。
特に洪水時の流量観測資料が治水計画立案の為に必要とされております。
(流量;川を流れる水の量の事です。単位時間に河川のある断面積を流下する水の量)
弊社では、流量観測を流速計を使用して流量を求める方法(低水流量観測:通常水位)と浮子を使用して流量を求める方法(髙水流量観測:洪水時水位)で実施しています。
これらの年間を通して観測された流量とその時点の河川水位との関係を求め、観測時の水位とその水位に対応する流量の関係をグラフ化(水位流量曲線の作成)していきます。